伏兵

さて、給料日。
件のらくらくパソコンを現金で買うつもりで、ヤマダ電機へ。
パソコン売り場へ行き、先日名刺をくれた店員を探してると、
LL770VGがなんと\149,800。まあ解梱展示品のみ、ではあるが何となく触ってみてると、何だか口の上手そうな店員が、
「お安くなってますよ」と寄ってくる。
買う気はなかったので「でもこれ、この展示してるやつでしょ」と返すと、
その店員更にすり寄り「実は倉庫に新品が…」
「え、新品」[え、この値段で]思わず片言になりながら問い返すと、
手元の機械で確認して「はい、倉庫に一つ。特別にこの値段でいいですよ」

さて、真剣に悩む。
元々外付けHDDが入り用で、NFER買ってそのポイントでゲットする予定だったので必要なのはNFERの値段分だけだったんだが、このLL770には当然ポイントなどついてこない。
そうするとNFER+一万+HDDの値段が必要で、予定より二万以上多い出費になる。
出せない値段ではないが、年末年始の出費を考えると、少しでも無駄な出費は押さえたい。
それにこれを買うと親父に俺が今使ってるPCを譲る事になるが、こいつは多分親父には使いこなしにくい、しかもOSは先の無いVista

まあでも、そういう悩みは目の前の\149,800と言う値段の前には色褪せてしまい、
結局五分ほどの葛藤は、自分に正直になるための時間でしかなかったりする。

俺から買いそうなオーラでも感じてたのか、件の店員は声を掛けるでもなくひっそりと俺の後ろに立っていたが、
俺が振り返り、「ホントに新品?」「この値段で?」と先程のカタコトを繰り返すと、
「はい、新品を、この値段で」と力強く頷く。
事ここに至っては「じゃあ買います」と言わざるを得ず、
「本体の5%のお値段で5年保証つきますが」と言う言葉にも、考えるのが面倒になった俺には「じゃあそれも」としか言えない。
「それでは商品をお持ちします」と店員が消えてからも、
まるで想定してなかった買い物に気持ちを浮つかせていると、店員がやって来て
「申し訳ありません、商品の方交渉中のお客様がいたようで…」
…事情はよく分からんが、タッチの差で買い逃したと言う訳か。

まあそれならそれで、出費は抑えられるしいいか。小心者の俺としては、降ってわいたラッキーにむしろうろたえ気味で、実は少しほっとしてたりする(情けない話ではあるが)。
店員も面子があるのか、
「もう少々お待ちください、なんとかなるかも知れないから」と粘る。
俺としてはどっちでもよくなってるのだが、まあ激安には違いないので一応頼んでみる。
しばらく待つも案の定駄目で、店員は「ポイントを付けるから展示品では駄目ですか?」などと聞いてくるが、それは始めから選択肢に無いので断って去る。